浸透する絵画
—物質とイメージ―

浸透する絵画 —物質とイメージ―

2026.08.08 – 2026.08.30

12:00‐19:00 月火休廊 ※夏季休廊:8月17日(月)-21日(金)

榎倉康二|佐藤克久|小林知世
末松由華利|田村美琴|松田菜優子|木原優大

浸透する絵画 —物質とイメージ―

この度、ARTDYNEは8月8日(土)よりグループ展「浸透する絵画—物質とイメージ―」を開催いたします。本展はステイニング技法を手がかりに、絵画における物質とイメージ、作為と偶然、支持体と被支持体の関係を考察するものです。榎倉康二、佐藤克久、小林知世、末松由華利、田村美琴、松田菜優子、木原優大の7名の作品を通して、戦後から現在へと続く絵画の一側面を展覧します。

1950年代以降、アメリカではヘレン・フランケンサーラーやモーリス・ルイスらによって、下地を施していないキャンバスに希釈した絵具を浸透させるステイニングの技法が展開されました。絵具を支持体の表面に重ねるのではなく、その内部へ染み込ませるこの方法は、絵具と支持体を分かちがたく結びつけ、絵画を「描かれた像」である以前に、物質と物質が接触した場として捉え直す契機のひとつとなりました。

一方日本では、1960年代末から70年代にかけて、美術作品を自律した造形物として成立させることへの問いが強まり、素材や場所、行為、それらの関係そのものへと意識が向けられていきました。榎倉康二は、紙や布、壁、床といった支持体に油や廃油などを染み込ませる作品を制作しています。そこでは、染みは何かを描写するための手段ではなく、液体が素材へ浸透し、その性質を変化させ、境界を生み出す。その出来事そのものが作品として現れます。支持体はイメージを受け止める受動的な背景ではなく、物質と作用し合いながら作品を成立させる主体として存在します。

このような実践は、アメリカで展開したステイニングと形式的な類似を持ちながら、その目的や美術史的背景を異にしています。しかし両者には、画面の上にイメージを構築するという従来の「描く」行為から距離を取り、素材そのものが生み出す現象を作品へと導入するという共通点を見いだすことができます。

本展に参加する作家たちは、必ずしもステイニングという技法や、榎倉の実践を直接的に継承しているわけではありません。制作の背景も、絵画に対する関心もそれぞれ異なります。しかし、絵具を完全に制御するのではなく、その流動や浸透、滲み、重なりを受け入れること。支持体を単なるイメージの背景ではなく、絵具と反応する物質として扱うこと。そして、作者が「描いたもの」と、制作の過程で「生じたもの」とのあいだに画面を成立させること。それらの実践には、世代を越えて響き合う問題意識があります。

絵具が布や紙に染み込むとき、その境界を完全に決定することはできません。作者の意図によって始められた行為は、重力や水分、素材の吸収性といった物理的な条件に委ねられ、予測できない痕跡を残します。一方で、作家はその痕跡を選び、受け入れ、あるいは次の行為へと接続します。そこには「描くこと」と「生じること」が絶えず交差しています。

本展では、異なる時代と背景を持つ7名の作品を同じ空間に置くことで、「浸透」という現象から絵画を捉え直し、支持体と絵具、作為と偶然、物質と表象のあいだに広がる可能性を探ります。この機会にぜひご高覧いただければ幸いです。

 

作家略歴

榎倉康二|Koji Enokura

”Figure B-No.52” 1986年 390×470×145mm 綿布・アクリル

榎倉康二(1942–1995)は、絵画を「何かを描くためのもの」としてではなく、素材や空間、時間が生み出す現象そのものとして捉え直しました。

1970年代以降、榎倉は油や水が紙や布に浸透する現象、物質同士が接触することで生まれる痕跡に着目し、人為的なイメージではなく、素材そのものが語る表情を作品へと取り込みます。画面に残された染みや濡れの痕跡は、単なる形ではなく、物質がそこに存在し、時間を経て変化した記録でもあります。

1970年代後半からは、生のキャンバスを縫い合わせ、その一部を油彩で染める平面作品を数多く制作しました。布という素材が持つ質感や重さ、絵具が浸透する過程、画面に生まれるわずかな起伏までを作品の重要な要素とし、絵画をイメージではなく「物質が存在する場」として提示しました。

榎倉の作品は、見る人に明確な意味を示すのではなく、素材の変化や空間との関係を静かに体感させます。その探究は、現在に至るまで、絵画における物質性や浸透、痕跡を考えるうえで大きな影響を与え続けています。

主な展覧会

2025

榎倉康二 没後30年, 東京国立近代美術館, 2025–2026年.

2017

Japanorama: New Vision on Art since 1970, Centre Pompidou-Metz, Metz, France, 2017–2018.

2015

For a New World to Come: Experiments in Japanese Art and Photography, 1968–1979, Museum of Fine Arts, Houston; Grey Art Gallery, New York University; Japan Society Gallery, New York, 2015–2016.

2015

Reflection―返礼 榎倉康二へ, 秋山画廊、Space23℃、gallery21yo-j, 東京

2013

Koji Enokura, Blum & Poe, Los Angeles

2012

Requiem for the Sun: The Art of Mono-ha, Blum & Poe, Los Angeles; Gladstone Gallery, New York

2005

榎倉康二展, 東京都現代美術館
もの派―再考, 国立国際美術館

1996

榎倉康二遺作展 1964–1995, 東京藝術大学芸術資料館陳列館、東京藝術大学芸術資料館取手館
レクイエム―榎倉康二と33人の作家, 斎藤記念川口現代美術館

1995

1970年―物質と知覚―もの派と根源を問う作家たち, 岐阜県美術館、広島市現代美術館、北九州市立美術館、埼玉県立近代美術館

1994

榎倉康二・写真のしごと 1972–1994, 斎藤記念川口現代美術館, 1994–1995年.

1980

39th International Art Exhibition, La Biennale di Venezia, Japanese Pavilion, Venice, Italy, 1980.

1978

38th International Art Exhibition, La Biennale di Venezia, Japanese Pavilion, Venice, Italy, 1978.

1974

Kōji Enokura: Ein Japanisches Beispiel, Neue Galerie – Sammlung Ludwig Aachen, Aachen, West Germany

1972

第8回東京国際版画ビエンナーレ展, 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館, 1972–1973年.

1971

7e Biennale de Paris, Parc Floral de Paris, Paris, France

1970

第10回日本国際美術展「人間と物質」, 東京都美術館、京都市美術館、愛知県美術館、福岡県文化会館

1970

Space Totsuka 70(木・壁・草・土・家・石・空・地・火・空気・水…), 横浜市

1969

個展「歩行儀式」, 椿近代画廊, 東京

主な収蔵先
東京国立近代美術館/東京都現代美術館/東京藝術大学大学美術館/世田谷美術館/豊田市美術館/国立国際美術館/兵庫県立美術館/広島市現代美術館/ハーシュホーン美術館と彫刻の庭, ワシントンD.C./M+, 香港, 他

 

佐藤克久|Katsuhisa Sato

くらり 2025 455×455mm キャンバスにアクリル(撮影 城戸保)

アーティスト・ステイトメント

現在の社会、美術状況を知り、思想を含み、自分の立ち位置を理解し示す。そして感情が起動するような造形要素を取り入れ、作り手が真似したくなるよう簡単で根源的に、もしくは超絶技巧でめいかいに描かれた物。これらの知識を詰め込むのである。

・・・けれど難しい事に、実はそれらすべてをすっかり忘れた時に出来るのである。このようにして描かれたものが傑作である。

1973年 広島県生まれ
1999年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了

主な個展

2026年

「い-い え」(Yoshimi Arts、大阪)

2025年

「こりごりごり」(名古屋造形大学ギャラリー、愛知)

2024年

「空っぱ」(Maki Fine Arts、東京)

2023年

「あけっぴろげ」(See Saw gallery+hibit、愛知)
「とりもなおさず」(SHINBI GARELLY、東京)

2021年

「SHOUONJI ART PROJECT 28th 佐藤克久 うらおもて」(照恩寺、東京)

2019年

「レジャーシートをひろげるムジュン」(児玉画廊、東京)

2016年

「ふりをしたつもり」(児玉画廊、東京)

2016年

「何かは何か」(See Saw gallery+hibit、愛知)

他、多数

主なグループ展

2026年

「見える仕組み」(CLEAR GALLERY TOKYO、東京)

2025年

「豊田市美術館開館30周記念コレクション展 星と星座」(豊田市美術館、愛知)

2024年

「⽳あきの⾵景」(MtK ContemporaryArt、京都)

2023年

「コレクション展「小さきもの-宇宙/猫」」(豊田市美術館、愛知)

2019年

「豊田市美術館 リニューアルオープン記念 コレクション展 世界を開くのは誰だ?」(豊田市美術館、愛知)
「愛知県美術館リニューアル・オープン記念 全館コレクション企画 アイチアートクロニクル1919-2019」(愛知県美術館、愛知)

2018年

「500m美術館vol.27「絵画の現在地」」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館 、北海道)

2016年

「あいちトリエンナーレ2016」(名古屋市美術館会場、愛知)など多数

パブリックコレクション
国立国際美術館、豊田市美術館

 

 

小林知世|Chisei Kobayashi

“untitled” 2026 530x445mm インク、墨、アクリル、水彩、雲母、パステル、綿布

アーティスト・ステートメント

私は、日常に潜む見過ごしがちな気配や、自己と対象の境界に生じる重なりや揺らぎに着目して絵画を制作しています。具象と抽象、油彩やステイニングなど複数の技法を往復しながら、境界を何度も引き直すように画面を構築します。描くことは、言語化されにくい感覚や規範からこぼれ落ちるものをすくい上げる試みでもあります。最近は特に、身近に起きたいくつかの死と、それらにまつわる事象を起点に、選ばれなかった/継続されなかった/声として現れなかったものといった、可視化されない無数の条件や関係に支えられた、現在の背後にある複数の不在に目を向けています。

1994年札幌生まれ。札幌在住。東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース卒業

主な個展

2026

爪(仙台 galleryTURNAROUND)
暗闇で手紙を読む(東京 yukisis)

2025

霧の歯(盛岡 Cyg gallery)

2024

nolon(東京 yukisis)
桜桃の味(札幌 galleryMonma)

2023

epiphany(札幌 CAI03)

2022

doughnut(札幌 大丸7Fラウンジ CAI04)

2021

doughnut(仙台 galleryTURNAROUND)

2020

暗闇で手紙を読む(札幌 salon cojica)

主なグループ展

2025

マイ・ホーム(仮)(札幌 札幌芸術の森美術館)

2024

かすかな風景(ドイツ ハンブルグ mikikosato gallery)

2023

VOCA展2023(東京 上野の森美術館)

2022

New Eyes 視線のはなし(札幌 本郷新彫刻記念美術館)
霧の向こうから石が(富山 gallery 無量)
3331 ART FAIR 2021(東京 アーツ千代田)
TRADING HOME ie to vou(京都 vou)
ながめのいい場所(札幌 500m美術館)

2021

3331 ART FAIR 2021(東京 アーツ千代田)

2020

ARTvent in der Mikiko Sato Gallery(ドイツ ハンブルグ mikikosato gallery)
Cyg SELECT 2020(盛岡 Cyg gallery)
サッポロ・アート さよなら昭和ビル(札幌 CAI02)
NEW JAPANESE PAINTING(ドイツ ハンブルグ mikikosato gallery)

2019

ART-LINKS2019(東京 Orieartgallery)
思考するドローイング(札幌 500m美術館)
between room(石巻 まちの本棚)

受賞、助成、レジデンス等

2024

YAU×Sapporo Parallel Museumエクスチェンジプログラム (東京 有楽町アートアーバニズム)

2022

PROJECTA ART Index  採択
HAUSサバイバルアワード 採択

2019

JRタワーARTBOX2019 優秀賞

2018

アーティストインレジデンス End Of Summer2018(アメリカ オレゴン州 ポートランド)

2016

公益財団法人日本文化藝術財団加藤定奨学金 奨学生

2015

ギャラリーへ行こう2015(数寄和 大津・西荻)入選

2015

清須市はるひ絵画トリエンナーレ 入選

その他

2026

plnt15 kore – artwork

2025

SAPPORO PARCO 50th Anniversary t-shirts Exhibition – artwork,exhibition(札幌 PARCOスペース7)
私は此処にいる (Watashi ha Koko ni Iru)  楽曲、ビジュアル提供
Ott Yarris In A Church – exhibition(小樽 旧カトリック小樽教会住之江聖堂)

2024

wist/eleventh hour – artwork

 

末松由華利|Yukari Suematsu

”半分こ” 2025 1167×1167mm キャンバスにアクリル

アーティスト・ステートメント

白いキャンバスをたゆたいながら染めゆく絵の具は、静かに刷毛が離れると、息を潜めてそこに留まる。
寄る辺なく広がり、滲み、他の色と重なり合い、混ざり合い、やがて霰も無い姿で私たちの前に現れる。
互いに高め合い、損ね合い、寄り添い合う歪な色と形は、あまりにも私たちに近しい。
描くことによって、この世に生きる私たちと、私たちの生きるこの世について、深く知りたいと願う。
また、その作品が私以外の誰かにとって、自身や他者、そしてこの世を見つめるための手がかりとなれば嬉しく思う。

2010年、多摩美術大学美術学部絵画科 油画専攻 卒業。

主な個展

2026

末松由華利展-Floating Lives-/新宿髙島屋10階美術画廊(東京)

2025

末松由華利展-罪のない遊び-/ASTER Curator Museum (金沢)

2024

末松由華利展-ここは誰かの帰る場所-/新潟絵屋(新潟)

2023

末松由華利展-山も海も砂も雪も、私たちも-/新宿髙島屋10階美術画廊(東京)
末松由華利展-何処か遠くで起きたこと-/ASTER(石川)

2022

末松由華利展−Visions of a Torn World−/日本橋三越本店本館6階美術サロン(東京)
成果発表展−Visions of a Torn World−/Arteles Creative Center(ハメーンキュロ、フィンランド)

2021

末松由華利展-空と海を砂で分く-/ゆいぽーと[新潟市芸術創造村・国際青少年センター](新潟)

2019

projectN76 末松由華利/東京オペラシティアートギャラリー(東京)

2017

末松由華利展-輪の中で考えたこと-/長野市芸術館(長野)

主なグループ展

2026

ART OSAKA 2025(ARTCOURT Gallery)/大阪市中央公会堂(大阪)(’25)

2025

Women in Abstraction: Landscape/ギャラリー林(東京)
Asian Students and Young Artists Art Festival (Gallery LVS)/Seoul Cultural Station(ソウル)(’24)
Early Summer Show: 東島 毅、末松 由華利/ARTCOURT Gallery (大阪)

2024

Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション2024/国立新美術館(東京)

2023

末松由華利•野中美里 展 -over & lap-/日本橋髙島屋 美術画廊X(東京)
FACE2023/SOMPO美術館(東京)(’18、’21入選)

2022

FREE COLORS-交差する空間-/日本橋三越本店本館6階美術特選画廊(東京)

2021

清須市第10回はるひ絵画トリエンナーレ/清須市はるひ美術館(愛知)

2020

ホルベイン・スカラシップ成果発表展/佐藤美術館(東京)

アーティスト・イン・レジデンス

2022

Silence Awareness Existence residency program/ハメーンキュロ(フィンランド)

2021

ゆいぽーと自主活動プログラム2021冬季/新潟(新潟)

2017

中条アーティスト・イン・レジデンス/中条(長野)

主な受賞

2022

sanwacompany Art Award/Art in The House 2022ファイナリスト

2019

第33回ホルベイン・スカラシップ奨学生 認定

2017

島敦彦審査員賞(シェル美術賞2017) 受賞

主なコレクション
株式会社髙島屋/ATAMI BAY RESORT KORAKUEN/株式会社サンケイビル/しのはらプレスサービス株式会社/株式会社星野リゾート/パシフィックホールディングス 他

 

田村美琴|Mikoto Tamura

”ぬるい風冷めたコーヒー/もっと話そう” 2026 455 x 333mm 綿布にアクリル

アーティスト・ステートメント

日常の中で、移動や視線の動きや時間の経過によって、身体の周囲や視界に映る光景は絶えず変化していきます。
空気の手触り、音や匂いで感じ取ったこと、その時考えていたこと、その場所にいたということ。
身体の内外で確かに存在している(していた)けれど見えないもの、触れられなくなっていくものごとを、キャンバス上に染み込ませた水と絵の具とのやりとりを通して手繰り寄せています。
滲んだ色面のイメージが近づくほどに霧散し、遠く離れるほどぼやけた光景として再び現れることと、過ぎた時間にあった感触を思い出そうとする行為を接続しながら制作しています。

2001  神奈川県生まれ
2025  東京造形大学大学院 造形研究科造形専攻 美術研究領域 修了
2023  東京造形大学 造形学部美術学科 絵画専攻領域 卒業

個展

2023

「手で開けた朝、閉め忘れたやみ まばたきするたびに変わってく空気」mime(東京造形大学/東京)

2022

「遠くなったニュースと暗い夜、コンビニの駐車場で見える誰かの素顔」mime(東京造形大学/東京)

グループ展

2026

「OIL by ART MARKET vol.3」渋谷PARCO(東京)
「たましいの鏡」ZITSUZAISEI(大阪)

2025

「ZOKEI展(東京造形大学卒業・修了制作展)」東京造形大学(東京)
「話したいことがあるの」Art Gallery Shirokane 6c(東京)
「みえたけど、ない ないけど、みえた」DDDART(東京)
「eyes」大丸東京 ART GALLERY(東京)
「ツボミコレクション vol.15」六本木 蔦屋書店(東京)

2024

「草葉の陰より」gallery TOWED(東京)
「る/られる」小金井アートスポット シャトー2F(東京)
「Spring Selection」Gallery Dalston(東京)
「遊々泳々」Gallery Dalston(東京)
「FACES」アメリカ橋ギャラリー(東京)

2023

「ZOKEI展」東京造形大学(東京)
「ART NAGOYA 2023」名古屋観光ホテル(愛知)
「ひかりをつかむ」ARTDYNE(東京)
「テイクオーバーゾーン」mime(東京造形大学/東京)
「Spiral Xmas Market 2023」SPIRAL(東京)

受賞

2026

「第25回 アートギャラリーホーム」岡部憲明アーキテクチャーネットワーク賞

2025

「ZOKEI展(東京造形大学卒業・修了制作展)」ZOKEI賞(修了制作優秀賞)

2023

「ZOKEI展(東京造形大学卒業・修了制作展)」ZOKEI賞(卒業制作優秀賞)

 

松田菜優子|Nayuko Matsuda

”そうだったキがする” 2026 318×410mm 綿布にアクリル、水彩

アーティストステートメント

絵具をたらし、にじませながら、私は、描いた部分と描かない部分を往還しながら、鑑賞者と作品の距離をつないでいます。葉や草のイメージは、滲みのなかで色が曖昧になり、未分化の状態になります。水が流れた跡には、色が残ります。私は画面を一つの空間として閉じたくありません。見る人がそこに何を見ても、それを正しいとも違うとも決められないからです。一方で画面には、絵具や布、水の跡が確かに在ります。私の考える絵画空間とは、その確かに在るものと、見る人の想像とが、どちらにも閉じずに隣り合う場所です。

2002年生まれ、愛知県出身。2025年、武蔵野美術大学造形学部油画学科油絵専攻卒業。現在、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース 在学中。

主な展示

2026

靖山画廊(株式会社アートジャパン)30周年記念公募展,靖山画廊(東京)
Aletheia,aaploit(東京)
第61回昭和会展 ,日動画廊(東京)
個展「きっと ずっと わっか」,ARTDYNE(東京)

2025

Incheon Art Show 2025(韓国、仁川)
涼しい時間Ⅲ,鈴画廊(東京)
キアスム,aaploit(東京)
FIRST CONTACT, REIJINSYA GALLERY (東京)
Reframing|絵画再考 , ARTDYNE(東京)
春のあしおとII ,鈴画廊(東京)

2024

涼しい時間 II ,鈴画廊(東京)
FACE展 2024,SOMPO 美術館(東京)
大野芸術祭アーティスト・イン・レジデンス(愛知)

2023

“針一本足りないために”,gallery33 south(東京)

受賞歴

2026

靖山画廊(株式会社アートジャパン)30周年記念公募展 優秀賞
第61回昭和会展 入選

2024

FACE展2024入賞

2022

六花亭製菓主催「二十歳の輪郭」入選

 

木原優大|Yudai Kihara

"Sweet home" 2026 333×220mm キャンバスにアクリル

アーティスト・ステートメント

私は普段から物や人の存在に対して懐疑的になる時があり、本当にその物は存在するのか、今見えている物は確かなのか、と考えることがあります。何気ない風景は、私が見ることを意識することで初めてこの世に「存在」し、見ることを意識されていない風景は曖昧で、今も変容し続けているような感覚があります。

私はこれらの対象を「線」で捉え、単純化します。本来あるはずのない形や光を「線」で捉えることは、私自身の手で境界を与え、「確かなもの」として存在させようとする行為の痕跡であると考えています。

2002年、兵庫県姫路市生まれ。2026年、大阪芸術大学 芸術学部美術学科卒業。現在、愛知県立芸術大学 大学院 美術研究科在籍中。

個展

2026

FOCUS〈京都蔦屋書店 6F アートウォール・京都〉

グループ展

2026

大阪芸術大学卒業選抜展〈大阪市立美術館天王寺ギャラリー・大阪〉
somewhere in between vol.3〈THE blank GALLERY・東京〉
おぼろげに、届く。〈ギャラリー住吉橋・大阪〉
侵色 vol.3〈京都精華大学ギャラリーTerra-S・京都〉

2025

Hyper Cheap Osaka〈JITSUZAISE・大阪〉
You are different artfair 2025〈安田画廊・大阪〉

受賞

2026

大阪芸術大学卒業制作展 学科賞

助成
香雪美術館奨学生/パル井上財団 10周年記念特別奨学金/佐藤国際文化育英財団 第36期生