野田幸希個展「ハポイーニ」

野田幸希個展「ハポイーニ」

2026.01.17 – 2026.02.01

12:00-19:00 月・火・水 休廊

野田幸希|Koki Noda

野田幸希個展「ハポイーニ」

この度ARTDYNEでは、2026年1月17日(土)- 2月1日(日)の期間、東京造形大学絵画専攻に在籍中のアーティスト、野田幸希による初個展「ハポイーニ」を開催いたします。

本展のタイトル「ハポイーニ」は、野田が飼っている鳥の名前に由来します。もともとは「ヒヨ」と呼ばれていたその鳥は、鳴き声や表情の変化に応じて呼び名が変わり、さらには知人の聞き間違いや誤訳によって生まれた奇妙な名前が、そのまま定着していきました。鳥の鳴き声という非言語的な音と、人間の言語が「名前」という固有名詞の中で交錯し、やがてそれぞれの環世界へと拡散しながら変容していく──野田はこの微細な現象に強く惹かれています。そのプロセスは、道具やモチーフを限定せず、その時々に合わせて直感的に展開していく彼の制作態度とも響き合い、進化論や言語の特性に通じる普遍性を内包していると作家は語ります。

野田幸希は、絵を描く行為そのものに内在する「時間」や「手触り」に、終始静かなまなざしを向けています。画面に現れるイメージは明確な物語を持たず、制作の過程で生じる微細な感覚や思考の揺らぎとともに、緩やかに立ち上がっていきます。ざらついた木の板にクレパスや絵の具を直接重ねる一つひとつの行為は、作家が自らの存在を確かめるための、きわめて私的な営みでもあります。野田の作品には、強い主張や即時的なメッセージに代わり、描くことによってのみ掴み取られる沈黙や緊張感が、画面の内側に静かに宿っています。

本展は、絵画が物語の完成へと急ぐのではなく、いまだ語られぬ状態にとどまること、そしてその「途中」に身を置くことの意味をあらためて問いかけます。初個展という節目において提示される、野田幸希の現在地としての特異な絵画空間を、ぜひご高覧ください。

 

 

アーティスト・ステートメント

絵というのは、自分で手を加えなければ一向に物語が進まないから、酷で、とても優しい。現実が終わりに向かっていても、アトリエに戻れば全てがまだ手付かずで残されていて、そういう手付かずの物語が自分の周りを取り囲んでいる事実に、私はとても安心できる。クレパスが木の板で削られ、その微振動が指先から脳みそに伝わって、パと目を開くと顔の険しい幽霊が見え、そこで初めて、物質として地に立っているという実感を得ることができる。

野田幸希

作家略歴

野田幸希|Koki Noda

2005

東京都生まれ

2024

東京造形大学絵画専攻入学 現在東京造形大学絵画専攻領域所属

グループ展

2025

「Reframing|絵画再考」ARTDYNE、東京
「Though the world is too much,世界が手にあまるとして」 東京造形大学CSギャラリー、東京
「第12回 未来展ー日動画廊 美術大学学生支援プログラム」日動画廊、東京
「5日あるイブ – a five-nights eve –」ターナーギャラリー、東京