木浦奈津子個展  
「ここからみてる」  

木浦奈津子個展「ここからみてる」

2026.05.16 – 2026.06.07

12:00-19:00 月・火・水 休廊

木浦奈津子個展「ここからみてる」

この度、ARTDYNEでは木浦奈津子個展「ここからみてる」を開催いたします。

木浦奈津子は1985年鹿児島県生まれ。2010年に尾道市立大学大学院美術研究科油画専攻を修了し、日常の風景を主題に絵画制作を行っています。近年ではVOCA展2022 現代美術の展望への出品や、「遠距離現在 Universal/Remote」(熊本市現代美術館、国立新美術館ほか)への参加を通じ、国内外で注目を集めています。

木浦の作品は、海や公園、道といったありふれた風景を起点としながら、それらを単なる再現としてではなく、知覚や記憶の揺らぎの中に再配置するものです。作家自身が撮影したイメージをもとに不要な情報をそぎ落とし、画面は簡素で開かれた構成へと還元されます。その結果、描かれる風景は具体性を保ちながらも、どこにも属さない匿名性を帯び、観る者それぞれの記憶へと静かに融合を促します。

木浦の絵画が喚起するのは、個人的でありながら誰のものでもない風景の記憶です。展覧会タイトル「ここからみてる」は、そうした視点のあり方を端的に示しています。ここでいう「ここ」は特定の場所であると同時に、見る者それぞれが立つ位置でもあり、画面に描かれた風景は、誰かの視点でありながら、次第に私たち自身の視線へと移行していきます。

のびやかな筆致や色調によって構成された画面の中で、像は明確に定着することなく、現れては遠のくような不安定さを孕んでいます。そこでは「何が描かれているか」以上に、「どのように見えているのか」「どのように思い出されるのか」という感覚のプロセスそのものが主題となっています。

本展では、新作を中心に木浦奈津子の現在をご紹介いたします。「ここからみてる」という静かな視線のもと、風景と見ることの関係がどのように立ち上がるのか、そのあり方をぜひご高覧ください。

 

アーティスト・ステートメント

展覧会タイトル「ここからみてる」は公園や海、あるいは家の中で子どもに呼ばれるたびに口にする言葉であり、私の日常に深く根ざしている。それは親としてのまなざしであると同時に、生活している日本の端から遠くの中央や遠くのどこかを眺めている感覚を表す言葉でもある。

私の視点は、常に「ここ」からここではないどこかをみつめる視線が起点となっている。制作においては、日常的な風景から詳細な情報を削ぎ落とすというプロセスを重視している。個人的な感情や具体的な記憶を意図的に遠ざけ、画面と自己との間に一定の距離を作るためである。そうすることで、ただ在るものとして景色が自立していき、景色の向こう側を「ここ」という立ち位置から捉えることができるのではないかと考えている。

木浦奈津子

作家略歴

木浦奈津子|Natsuko Kiura

1985

鹿児島県生まれ

2010

尾道市立大学大学院美術研究科油画専攻修了

個展

2025

うみの絵(LE METTE GALLERY/広島)

2024

VISTAS(The Breeder Feeder/Athens)
木浦奈津子展(Takashi Somemiya Gallery/東京)

2022

木浦奈津子絵画展(山形屋画廊/鹿児島)
表面をなぞる(ギャラリーEUREKA/福岡)
目の前をよぎる(Takashi Somemiya Gallery/東京)

2021

うみとこうえんと、(鹿児島市立美術館/鹿児島)

2019

遠くをみる(ギャラリー EUREKA/福岡)

2018

はじまりの風景 Ash11(CHIN JUKAN POTTERY 喫茶室/鹿児島)

2017

スナップショット(Takashi Somemiya Gallery/東京)

2015

過ぎゆく景色(トーキョーワンダーサイト渋谷/東京)

2014

ある日の景色(White Gallery/鹿児島)
切り取る風景(Takashi Somemiya Gallery/東京)

2012

Landscapes 木浦奈津子(ギャラリー游/鹿児島)

2010

木浦奈津子展(Turner Gallery/東京)

主なグループ展

2025

Paris Internationale(Artfair/パリ)
Blurred Realities ~儚き境界~(Artglorieux GALLERY OF TOKYO/東京)
THE ENDLESS BACKYARD(LE METTÉ ADELINE ART LOUNGE/岡山)

2023-2024

遠距離現在 Universal/Remote(熊本市現代美術館/国立新美術館/広島市現代美術館)

2023

日常へのまなざし(鹿児島市立美術館地下講堂/鹿児島)

2022

ARTIST TRANSFER in Hiroshima(ギャラリーミヤウチ/広島)
VOCA展2022 現代美術の展望(上野の森美術館/東京)

2021

生きる私が表すことは。鹿児島ゆかりの現代作家展(長島美術館/鹿児島)

2020

Kyushu New Art(博多阪急/福岡)

2019

美の鼓動クリエイター・アーカイブ vol.3(九州産業大学美術館/福岡)

2018

Local Prospects 4 この隔たりを(三菱地所アルティアム/福岡)

2017

3331 Art Fair 2017-Various Collectors Prizes-(アーツ千代田 3331/東京)

2016

In focus7(尾道市立大学美術館/広島)
今日のいちまいII(White Gallery/鹿児島)

2014

今日を過ごす方法 (高松市塩江美術館/香川)

2013

今日のいちまい(尾道市立大学美術館/広島)

2009

私と他 7 人展(尾道白樺美術館/広島)
Next Wave 展(鹿児島市立美術館/鹿児島)

2007

アートと米の収穫祭(直島/香川)

主な受賞歴

2019

第45回鹿児島市春の新人賞受賞
青木繁記念大賞ビエンナーレ 入選(久留米市美術館/久留米)

2018

Local Prospects 4 公募選出(三菱地所アルティアム/福岡)

2014

トーキョーワンダーウォール 2014 丸山直文賞受賞 (東京都現代美術館/東京)

2013

ワンダーシード 2013 入選(TWS本郷/東京)
トーキョーワンダーウォール 2013 入選(東京都現代美術館/東京)

2011

トーキョーワンダーウォール 2011 入選(東京都現代美術館/東京)

インタビュー

2024

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