石場文子 個展
Fusion of Vision

石場文子個展

2025.10.11 – 2025.11.02

12:00-19:00 月・火・水 休廊

石場文子個展

この度、ARTDYNEでは10月11日(土)から11月2日(日)まで、石場文子による個展「Fusion of Vision」を開催いたします。
石場はこれまで一貫して「見ること」と「平面に現れる像」との関係を探り続けてきました。今展では、写真という現実の断片に、ある絵画的な操作を加えることで認識のズレを可視化し、鑑賞者の「見ようとする行為」そのものを問う新作を発表いたします。

私たちは写真の中に、奥行きや質感、空気感といった三次元的情報を読み取ろうとします。石場は写真の上に描線や彩色を施し、また背景にストライプを取り入れることで、二次元と三次元の狭間に生じる違和感や錯視を作品として立ち上げます。背景に導入されたストライプは、被写体と空間の関係を撹乱し、写真が持つ現実感をいったん解体します。そのうえで、再び「見る」という行為を再構築するような体験を促します。石場の作品は視覚的な実験であると同時に、「知覚」と「想像」の境界を揺さぶる詩的な問いでもあります。

今展を通して、石場が展開する平面性と奥行きを意識的/無意識的に往還させられるような視覚体験を鑑賞者へ提供出来れば幸いです。ぜひご高覧いただけますようお願い申し上げます。

 

アーティスト・ステートメント

写真とは3次元(世界)を2次元(平面)上に置換するものと言えます。私たちは画面の中に現れる被写体や空間から撮影された状況や物質の質感や奥行、その場の空気のようなものを思い出したり想像したりすることで、まるでそれが3次元(世界)を写したものであると思い込もうとします。しかし、3次元だと思っていたものに2次元にしか存在し得ないものが介入したら私たちは目の前の写真に対してどう見ようとするでしょうか。

私は写真を使って、モチーフに色を塗ったり加工したりすることで部分的に写真の一部が平面に見える作品を作っています。今回は背景にストライプを使うことで、より錯視的な画面に見えるような構成にしています。私は写真に写る平面に対して奥行があるかもしれないと可能性を感じたり、日常の中で見間違いから起こる新しい解釈や可能性を作品で提示したいと考えています。

石場文子

 

作家略歴

石場文子|Ayako Ishiba

1991年

兵庫県に生まれる

2014年

京都嵯峨芸術大学造形学科版画分野卒業

2016年

愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了

近年の個展

2025年

「paper on paper」MIAKI Gallery(東京)

2024年

「えいきゅうほぞんぶつ / permanent object」サテライトギャラリーSA・KURA(愛知)
「2,3,4(and 1,or 1)」堀川新文化ビルヂング(京都)

2023年

「視点の位置 」MIAKI Gallery(東京)

2022年

「Shuttle Run 2022」ARTDYNE(東京)

近年の展示

2025年

「浅間山国際フォトフェスティバル 2025 PHOTO MIYOTA」JA佐久間女性会御代田直売所(長野)「やま、もしくはその他のABC」KATSUYA SUSUKI Gallery(東京)

2024年

「Kyoto Art for Tomorrow 2025 ―京都府新鋭選抜展―」京都文化博物館(京都)日本経済新聞京都支社賞受賞
「嵯峨美の森」京セラギャラリー(京都)
「How Do u Spell?」Gallery Other(福岡)
「いのちのしるし-The Sign of Life-」ARTDYNE(京都)

2023年

A-LAB Exhibition vol.40「まちのことづて」A-Lab(兵庫)
「Ballet meets Art vol.2」KATSUYA SUSUKI Gallery(東京)
「バーナムで円を描く」COCOTO by COCO Gallery(京都)

2022年

「感性の遊び場」ANB Tokyo(東京)
「伝統のメタボリズム~見立て~」SHUTL(東京)

受賞歴

2024年

「Kyoto Art for Tomorrow 2025 ―京都府新鋭選抜展―」日本経済新聞京都支社賞受賞

2022年

名古屋文化振興事業団第38回芸術創造賞

2019年

VOCA展2019 奨励賞